学生が認知症サポーター養成講座で“認知症を学ぶ”が当たり前の社会へ #1124
目次
神奈川県横浜市港北区にある新田中学校で認知症サポーター養成講座が開催されました。
この内容を踏まえ、これから小学生、中学生が当たり前に認知症を学べる社会にするために何が必要なのかの記事を書きました。
中学生や学生が「認知症」を学ぶ価値
新田中学校で行われた認知症サポーター養成講座は、地域福祉の未来を見据えた先進的な取り組みです。
1年生を対象に毎年継続することで、卒業時には全校生徒が認知症サポーターとなる仕組みは、全国的にもまだ珍しい。
講座では、
- 高齢者の約5人に1人が認知症になる可能性
- 困っている高齢者への声かけの方法
- 相手の尊厳を守る接し方 などを、動画や事例を通して学ぶ
例えば、買い物で支払いに戸惑う高齢者に対し、 「お財布に小銭はありませんか」 と優しく声をかけるなど、実践的なコミュニケーションを体験しました。
横溝教諭が語るように、学んだ知識は「街の見え方」を変えます。
見守りシールや地域のケアプラザの存在に気づくようになり、日常の中で自然と地域を支える視点が育ちます。
なぜこの取り組みが全国に広がらないのか
認知症サポーター養成講座は全国で実施可能な仕組みが整っているにもかかわらず、学校教育への導入は地域差が大きい。
その背景にはいくつかの課題があると考えます。
① 学校現場の時間的・人的余裕の不足
授業時間の確保が難しく、外部講座を組み込む余裕がない学校も多い。 また、講師役となる地域団体の人材確保も地域差が大きい。
② 認知症教育の「必修化」が進んでいない
認知症は社会全体の課題であるにもかかわらず、学校教育の中ではまだ「任意扱い」。 結果として、校長や地域団体の熱意に依存する形になっている。
③ 若年層への教育の必要性が社会全体で共有されていない
「認知症は高齢者の問題」という誤解が根強く、若い世代に学ばせる意義が十分に理解されていない。
今後の対策:若い世代が「認知症を学ぶのが当たり前」になる社会へ
こちらは一般的な課題に対する解決策を記載していますが各地域でどの部分がネックになっているのかを知り、一つずつアプローチしてくことが大事だと思います。
① 学校教育への体系的な導入
認知症教育を「福祉」や「道徳」「総合的な学習の時間」と連動させ、 全国的に標準化されたカリキュラムとして位置づけることが重要
② 地域包括支援センター・社会福祉協議会との連携強化
地域の専門機関が学校と連携し、講師派遣や教材提供を行う仕組みを整えることで、 学校側の負担を軽減できる
③ 若者が参加したくなる仕掛けづくり
- オレンジリング、サポーターカードの刷新
- SNSでの活動発信
- 地域イベントでの活躍の場づくり など、学んだことを「使える」機会を増やすことで、学習がより実感を伴うものになる
④ 家庭・地域全体での理解促進
中学生が学ぶだけでなく、保護者や地域住民にも認知症理解を広げることで、 「地域全体で支える」文化が育つ
まとめ:中学生が認知症を学ぶことは、未来への投資
認知症は誰にとっても身近なテーマであり、若い世代が早い段階で理解を深めることは、 将来の地域づくりにとって大きな財産となります。
新田中学校の取り組みは、全国の学校が参考にすべきモデルケースです。
このような実践が広がれば、認知症になっても安心して暮らせる社会が、より確かなものになると考えました。
最後まで見ていただきありがとうございました。

