このブログでは認知症に関連した情報発信と全国区市町村での取り組みについて紹介しています。
またその他、興味のあるものを雑記ブログとして紹介しています。
今回は「難聴に関する話題いろいろ」です。
難聴に関しては3つ目の記事になりますが治療法についてや企業の取り組み、自治体・医師会の補聴器の助成についてなど良い意味で話題が広がっていますのでぜひご参考ください。
難聴の治療法:人工内耳
まず最初は難聴の治療法としての「人工内耳」についてです。
記事は愛媛大学医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頚部外科教授の羽藤直人先生がコメントされています。
難聴はまず25デシベル以上の音を適切に聞き取れない(小さい声が聞き取りにくい)場合になります。
内耳に障害がある「感音難聴」と、外耳と中耳に障害があって音が聞こえづらい「伝音難聴」があります。
これらが合わさったものは「混合性難聴」と呼びます。
難聴の早期の段階ではまず補聴器を装用し、聞こえに改善効果があるかどうかを見ます。
しかし、補聴器を装用しても大声で耳元に口を近づけないと聞き取りにくい高度感音難聴の場合、人工内耳の手術が検討されるようです。
羽藤先生の下記のコメントが日本の高齢者の現状を的確に捉えていると感じました。
慣れと費用の面は、難聴への啓発と国や企業の努力にかかっていますが一つずつクリアして欲しいと思います。
出典 日刊ゲンダイヘルスケア
医療機器メーカーのリオン開発「聞こえチェッカー」
次の話題ですが、聴力チェックについて年齢相応かを簡単にチェックできる機器を医療機器メーカーのリオンが令和3年10月に開発しました。
結果から受診などの適切な対応につなげるきっかけにと期待されています。
聴力が「何歳相当」かが簡単に分かり、機器は東海大医学部の和佐野浩一郎准教授が監修しました。
出典 リオン株式会社
聴力をチェックしたい人は「聞こえチェッカー」端末につないだヘッドホンを装着します。流れてくる3つの周波数の音を聞き、聞こえたら画面上の「はい」、聞こえなくなったら「いいえ」の部分に触れることで、わずか2分程度で「あなたの聞こえ年齢は70代前半です」といった具合に、聴力が何歳相当かが表示されます。
耳鼻科を受診したほうがよい場合は、その旨も表示され、受診の際はこの結果をプリントアウトして持参することで医師にスムーズにつなぐことができます。
日本補聴器工業会などが昨年、国内の90代以下の約1万4千人を調査したところ、難聴を自覚する人の比率は10%で、欧州各国とほぼ同水準です。
ただ、自覚がある人のうち医療機関を受診したという人は38%、補聴器を所有している人は15%にとどまり、欧州各国と比べて対策を取る人の割合が大幅に低い。
また、すでに補聴器を所有する人のうち51%が「もっと早く使用すべきだった」と答えています。
ここを何とかしたいところです。
出典 iZa
補聴器購入費助成制度(医師会、自治体)
補聴器助成制度の話題は以前も載せましたが今回は新潟県医師会と静岡県掛川市の内容を紹介します。
過去の記事もご参考ください。
まず新潟県医師会ではこの助成運動を2018年から県内30市町村に向けて「認知症予防のための補聴器購入費用の一部助成」として働きかけを行ってきました。
2020年春には4市町村で、2021年春には6市町村で、購入費用の一部助成が実施されています。
そして2021年夏には助成未実施の19市町村へ依頼し、この2022年の夏までには26市町村で助成が開始されています。
さらに新潟市にも、2019年から文書で中原市長にお願いし、新潟市保健衛生連絡協議会で助成の予算化を要望されています。
●新潟市における「試行的実施」の事業化決定
そのような活動を行う中、新潟市から「認知症予防のための難聴者補聴器購入助成事業の試行的実施について」として、500万円が令和4年度予算として計上されました。これは試行的実施であり、今後3年間の実績を評価したうえで恒久的予算化が検討されることのようです。
助成開始は2022年(令和4年)7月から、対象者は新潟市に住所がある50歳以上74歳以下の方です。
聴力が両耳40dB以上か医師の判断で補聴器が必要とされる者となっております。
助成額は2万5千円が上限です。
障害者向けの補助や助成と違い、50歳以上74歳以下の年齢で申請が出来るということ非常に今後につながるプロジェクトかと思います。
出典 新潟市医師会
次の静岡県掛川市では下記のチラシの通り補聴器購入費の一部を補助する助成制度を新設しました。
早期の気付きと対応が聴力の低下防止や外出促進につながる効果に期待して、高齢者だけでなく40歳以上を対象に加えたのが特徴です。
静岡県内で焼津市や藤枝市などが65歳以上に向けて同様の取り組みを実施していますが、対象が40歳以上の制度は県内で初めてになるそうです。
市の長寿推進課によると、現役世代にも難聴予防を促して生活の質の維持や社会参加につなげるのが狙いとしています。
当初は高齢者に絞った補助を想定していたが、耳鼻咽喉科医師や補聴器販売店への聞き取りで「早期装着が必要」との意見が目立ったため対象年齢の拡大に踏み切りました。
同課担当者は「難聴が深刻化する前に対応できれば、将来にわたって認知症の予防が期待できる」と説明しています。
補助について65歳以上は上限5万円、40~64歳は上限2万円です。
申請を受け付けた後も定期的な調整を求めて、使われずに放置される事態を防ぎ、年1回、アンケートを実施して生活改善の効果も検証します。
まとめ
過去のnote記事
#269 https://note.com/map_chiiki/n/nf0d946b060be
#304 https://note.com/map_chiiki/n/nd854b763c654
#469 https://note.com/map_chiiki/n/n34f5bc5024fe
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