H.Uグループホールディングス傘下の検査薬メーカー、富士レビオ・ホールディングス(HD)は、開発中の複数のアルツハイマー病の血液検査試薬について、早ければ2023年にも米国で承認申請することを目指すとのニュースがありました。
アルツハイマー病の血液検査に関して国内では島津製作所、シスメックスの話題を入れましたが海外ではスイス製薬大手のロシュなど複数の企業が参入しています。
富士レビオは米国での申請になりますが、承認申請については「この1年ぐらいでやらないといけない」と話されており、複数ある候補の中から有力な検査試薬を早ければ今年中にも提出する可能性を示しています。検査試薬の開発に成功すれば、診断の簡易化に向けた選択肢を広げることが可能になります。
アルツハイマー病の血液検査市場はエーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病の進行を抑制する効果の期待される新薬候補「レカネマブ」とも連動して盛り上がりを見せており、今後の新薬の適切な使用や普及には簡易検査薬が鍵を握ることは各種ニュースでも報道されています。
また富士レビオHDは昨年5月、FDAから脳脊髄液を使ってアルツハイマー病によるアミロイド斑を早期に検出する初めての臨床検査の承認を得ていることが強みとしてあると思います。この脳脊髄液の採取は血液ほど容易ではなく、普及も簡単ではないと言われていますが、血液検査試薬が少し先を見据えていることもあることからこの脳脊髄液でのアミロイドβ測定をしっかりと国内で標準化させることも同社の役割なのだろうと感じました。
いずれにしても一つの疾患、一つの薬剤でこういった様々な企業を巻き込んでおり、今後は想像もつかない新たな医療市場拡大となりそうです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-27/RNJCMXT1UM0Y01
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