このブログでは認知症に関連した情報発信と全国区市町村での取り組みについて紹介しています。
最初のテーマは「認知症予防と難聴」についてです。
はじめに
まずはじめに、このテーマについて知っておくべきことはWHOガイドライン「認知機能低下および認知症のリスク低減」の取り組みの中に難聴の対応が入っているということです。
難聴の対応が認知症予防につながることは最初の大事なポイントになります!!
WHOガイドラインの推奨
難聴は認知症の危険因子とされています。補聴器の使用が認知機能低下や認知症のリスク低減に有効かどうかは明らかになっていませんが、コミュニケーション能力を改善するために補聴器を提供すべきであるとしています。
参考 相談e65net
そして、難聴と認知症の関係性については、直接聞こえが悪いだけで認知症が悪化するというわけではなく、人とのコニュニケーションにおける不具合が脳に影響するのではないかということが言われています。
その中でも2つの理由が考えられています。
認知症が悪化する2つの理由
1つ目は、社会的孤立につながる可能性です。相手の声が聞き取りづらいと、会話が難しくなり、他人と接するのがだんだんと億劫になります。そして外出もしなくなると様々な刺激がなくなり、また精神的なストレスを抱えることで、認知症になりやすいことが考えられます。
2つ目は、脳への負荷の大きさからです。通常、私たちは会話の一部が聞こえなくても、会話の流れから予想して、言葉を補うことで意味を理解しています。例えば「こ○にちわ」としか聞こえなくても、「ん」という言葉を脳が補うことで言葉を理解できます。
しかし、難聴がある場合は、例えば「こ○○○は」としか聞き取れないと、聞こえる人よりもエネルギーを使わなければ言葉を理解できません。聞き取ろうとするたびに、脳に負担とストレスがかかりますし、聞き返すストレスも起こってきます。
どちらも現在の高齢化社会の中では増えてくる内容であり対応が求められます。
医学専門誌による見解
イギリスの医学専門誌「Lancet」によると、仮に難聴になる人がいなかったとしたら、認知症になる人は今より9%も減ると試算しています。
同じくイギリスで行われた調査では、50歳以上で中等度の難聴(普通の大きさの会話での聞き間違いや、聞きとりにくさを感じる)がある人の認知症発症リスクは、1.6倍であると発表されました。
そして、この聞こえの悪さを補うのが補聴器であり、有効な認知症予防になると期待されます。
アメリカでの研究でも、認知症リスクの抑制につながる可能性も報告されています。
国内の補聴器の現状
ただ国内においては補聴器の普及は大幅に遅れています。制度面もありますし、高価であることも普及率の低下の影響となっています。
しかし、最近では助成制度が自治体で進んできており、補聴器普及の後押しとなっています。
下記は東京都内の補聴器購入助成制度を導入している自治体の一覧です。
対象者や助成の金額も含め参考になるかと思います。
まとめ
●難聴を対応することが認知症予防につながる可能性があること
●コミュニケーションの不具合でストレスを抱え、認知症になりやすい状態になること
●補聴器を使うことで認知症リスク抑制につながる可能性があるがまだ課題が多いこと
をご紹介しました。
今後アップデートの内容があれば第2弾でご紹介していきます。
最後まで見ていただきましてありがとうございました。
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