目次
このブログでは認知症に関連した情報発信と全国の市町村での取り組みについて紹介しています。
今回のテーマは「認知症と見守り」についてです
2回目の投稿となります。1回目の投稿も宜しければご覧ください
今回は全国各地での見守りの事例紹介がメインとなります。
皆さんの地域でも当事者を皆が支え、支援していく流れになると良いですし、これからこのような地域を作っていく上での参考にしていただけたら幸いです。
認知症高齢者徘徊模擬訓練とは
今回は実際に高齢者を保護した内容もありますが、訓練の話題もあるため、認知症高齢者徘徊模擬訓練について触れておきます。
この訓練は全国の自治体で毎年秋ごろに実施する場合が多い内容です。
認知症についての正しい知識の普及を図りながら、地域での見守りと支え合い、関係機関との連携を深めるために行います。訓練では、警察への捜索願の届け出方法や高齢者への声かけ方法を学び、実際に高齢者役への声かけを行います。
下記の千葉県船橋市の手引きがわかりやすかったので宜しければご参考ください。
徘徊模擬訓練の手引き(第3版)
徘徊訓練の一例
引用 船橋市
全国市町村での見守り事例紹介(北海道、東北)
さてまずは北海道、東北地域での見守り事例紹介です。
北海道小樽市では、小樽商科大学の学生さんが認知症のお年寄りを保護しました。
その高齢女性は学生さんに道を尋ねていましたが、女性が行きたいという場所はまったくの方向違いであり、また話す内容があちこちに飛ぶことともあり、気になったこの学生さんは警察に相談して対応しました。
出典 朝日新聞
北海道厚真町では、実証実験として認知症の人を探すために大手通信会社が開発した専用のアプリの導入を活用して行われました。
認知症の82歳男性が行方不明になった想定で実験は始まり、アプリを使って、男性の写真や身長、体重などの情報が参加した町の職員や消防や警察の担当者のスマートフォンに届けられたようです。
出典 NHK
岩手県盛岡市では毎年、住民や地域包括支援センターなどが連携して認知症高齢者の捜索を想定した訓練を行っています。
主催は青山地区活動推進会とまちづくり協議会、青山和敬荘地域包括支援センターです。
出典 岩手日報
全国市町村での見守り事例紹介(東海、北陸)
次は東海、北陸地域での見守り事例紹介です。
静岡県焼津市では市と静岡福祉大とで、認知症の行方不明者を捜し出し、声かけする訓練を行いました。参加者は町中を出歩いている行方不明者を保護し、家族に連絡するまでの流れを実践しました。
当市では、みまもりあいステッカー交付および靴用ステッカー交付による「焼津市おみね輪プロジェクト(おでかけ見守りネットワーク)」としても取り組みを実施しています。
利用申請書兼事前情報登録書(表面)
利用申請書兼事前情報登録書(裏面)
出典 あなたの静岡新聞
出典 焼津市
富山県氷見市では行方不明になった認知症高齢者の捜索・声掛け訓練を2011年から各地を巡回して実施しています。氷見署、消防団熊無分団が協力し、住民ら約70人が参加しました。
ここでは行方不明に気付いた家族の関係機関への通報の流れ、そして発見したときの対応を、声かけのポイントを学んでいます。
出典 中日新聞
石川県金沢市では見守りアプリの利用についてです。市では3年前から希望する家庭のお年寄りの服や持ち物にICタグをつけてもらい、外出した際、スマートフォンのアプリなどを使って見守ることができるシステムを運用しています。
記事では登録者の伸び悩みが書いてありますが、全国どのアプリもこの悩みはつきものです。
もちろんアプリダウンロードの数も大事ですが取り組みを意味を浸透させ、一人ひとりに理解してもらう時間が必要ですのであと数年は継続して欲しいと感じました。
出典 NHK
全国市町村での見守り事例紹介(近畿、中四国)
近畿、中四国地域での見守り事例紹介です
京都府亀岡市では自治会と地区社会福祉協議会が区ごとにサポーター養成講座と声かけ訓練を開いています。
市では8年前、認知症の高齢者が一時行方不明になり、住民総出で探した経験もあり訓練を続けているようです。
出典 京都新聞
最後は香川県高松市の訓練についてです。
こちらでは訓練は香西地区の住民でつくるグループが毎年開いていて、地域の住民や警察など、およそ50人が参加し、道に迷っている高齢者を見かけた際の声のかけ方などを学びました。
出典 NHK
参加された80代の女性のコメントが印象的でした。
「自分の説明で、どこまで理解してくれているか表情を見ただけでは分からず、難しかった。最近は近所付き合いが減り、様子のおかしい人を見かけても声かけすることが少なくなっているので、今回はいい機会になった」
まとめ
今回は全国各地での見守りの事例紹介をメインで紹介しました。
冒頭に認知症高齢者徘徊模擬訓練の内容も紹介しましたが、皆様の地域でも何らかの形で実施されているかも知れません。もしないようでしたら区市町村に問い合わせてみてください。
ただ、この模擬訓練も実施何名見つけたとか、結果を求めるわけではなく、当たり前の日常で避難訓練などと同じような感覚で毎年同じ時期に行われることを期待したいと思います。
そして気が付かれた方もいると思いますが訓練の主催や母体が自治体だけではなく、活動推進会、まちづくり協議会、自治会など独自の会で運用している所も多いです。
つまり住民自らが企画して、実施していることになります。
こういった団体のメリットは大きく、自らが主体的に実施している会には警察、消防なども参画しやすいですし、今後別のテーマでの展開も可能になると思います。
最後に、ある地域の警察の方のお話を聞きましたが、対象となるご家族がいた場合1枚でいいので写真を保管しておいて欲しいということ、身長・体型・洋服など特徴が分かるものをメモでも良いのですぐに出せるようお願いしたいとおっしゃっていました。
上記の焼津市の申込書にも写真や特徴を記載するところがありますがこの情報が非常に重要とのことです。
不明の連絡があった時に、対応は一刻を争うので当事者の写真、当日の服装や様子は捜索に非常に有用な情報となるようです。
今は気軽にスマホで写真が撮れますので撮影して、家のプリンターでもいいので印刷して出せるようにしておくのも大事だと思いました。
見守りも継続が大事ですので、このテーマも継続してご紹介していきたいと思います。
ありがとうございました。
過去のnote記事
#53 https://note.com/map_chiiki/n/n935253bd0035
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